「あんしん」事業を始めるまでに必要なプロセス
「あんしん」事業も法人後見事業と同様に、まずは事業開始までに必要なプロセスを記しておきます。
法人後見開始までのプロセスと要した年数は以下の通りでした。
⓪問題発見期(1年)
現事業の問題点を把握し、法人後見が必須と認識する時期
①構想&説得期(3年)
法人後見を開始することによる中長期構想を練り、各ステークホルダーの納得と合意を得る時期
②承認期(1年)
社内(上司、部下)の承認を勝ち取る時期
③補助金要求期(2年)
④実践期(1年)
事業を開始し、試行と実践を積み上げる時期
事業開始にあたり、法人後見事業との大きな違いは、すでに事業開始の社内合意を得ていて、地域福祉活動計画に載っていることでした。これはとても大きな違いでした。
このため、ほぼ⓪から②(①は説得期だけ)は終了していました。
したがって「あんしん」事業開始に必要なプロセスは、
①構想期
②補助金要求期
③準備期
の3期のみでした。
上記のうち特に困難を極めたプロセスは①でした。
法人後見は、すでに制度がかっちりと決まっています。実施主体に事業構築や裁量を考える余地はありません。誰が行おうと同じルールに則って行うので、それほど大きな違いは生じません。(もちろん、どれだけ熱意があるか、被後見人の立場に立つかなどの違いは生じます)
ところが「あんしん」事業に類するサービスは、かっちりと画一化されているものではありません。実施主体により提供するサービスは千差万別です。
この現実の中、当社協はどのようなサービスを行うのかを決定し構築せねばなりませんでした。
また、主に②に影響を及ぼした、想定外の世界的大事件が起きました。
そうです。中国武漢で発生した「新型コロナウイルス」が、昨年1月頃から日本でも猛威をふるい出したのです。
詳しくは後述しますが、この影響を受けて新規事業に関する補助金要求は一切不可となってしまいました。