構想期~その8~((3)事業プラン概要の合意 、(4)早く動かねばならない項目の合意)
続けて、現初期段階で決めておかねばならない残りの2項目をお伝えします。
(3)事業プラン概要の合意
先行団体への視察で分かったことの1つは「サービスは一律ではなく千差万別」ということでした。したがって、各団体のサービスはどれも「帯に短したすきに長し」で、単純に当社協に移植できるものではありませんでした。
そこで、制度設計構築の基準を「あんしん」事業基本理念②「できる限り、手厚い支援を行う」を軸として「元気なうちからお亡くなりになった後までを一気通貫に支援する」サービスを構築することとしました。
具体的には、先行団体の良いとこ取りをして独自に組み合わせ以下の通りとしました。
①元気なころ
見守り契約 定期的に訪問し見守りを行う
財産管理契約 急な入院などに備え支払い代行などを行う
身元引受契約 入院や施設入所に必要な緊急連絡先などになる
②判断能力が低下したころ
任意後見契約 元気なうちに契約を結び、財産管理などを行う
③終末期
尊厳死宣言 元気なうちに書面にしたため、本人に代わり医療や家族に提示する
④お亡くなりになった後
死後事務委任契約 元気なうちに契約を結び、葬儀埋葬や家財撤去を行う
遺言書作成支援 元気なうちの遺言書作成を支援する。遺言執行者にもなる。
というサービスの大概設計をし合意ました。
(4)早く動かねばならない項目の合意
まだサービス詳細が決まっていない現時点で合意し動かねばならない項目が2つありました。すなわち、試行開始の令和3年10月時点で稼働していなければならないものです。新年度予算が執行する4月からの開始では間に合わず、現段階で交渉を進めておく必要があるもの、それは、
①パンフレットの作成
②管理ソフトのカスタマイズ
でした。
①パンフレットの作成
あまり一般的でなく、複数契約の集合体である専門的で複雑なサービス内容なため、依頼するでデザイナーにしっかり事業内容を理解してもらい作成に取り組んでもらう必要がありました。過去の経験から約70万円を見込んでいました。
②管理ソフトのカスタマイズ
現在使用している後見管理ソフトで新サービスの顧客管理も行うため、独自のカスタマイズが必要でした。はたして設計上可能なのかなど、こちらもすぐに協議を始める必要がありました。費用は40万円から200万円と想定していました。
①②ともに予算執行は令和3年度予算からです。予算決定は例年3月末。しかし、現時点から①②ともに契約前提で打ち合わせと準備を進めていかねば間に合いません。したがって、会社としての内諾が不可欠でした。
結果としては、意外にあっさり了承を得ることができました。理由は、昨年度大きな遺贈寄付をいただいていたため予算上全く問題がなかったからです。
結果、現段階で合意すべき以下4項目の合意を得ることができました。
(1)事業理念の合意・決定
(2)合意決定プロセス
(3)事業プラン概要の合意
(4)早く動かねばならない項目の合意
この会議後、急いで(3)と(4)に着手していきました。