何よりもまず初めに行うこと。
まず初めに行うことは、「なぜ、当社協で法人後見事業を始める必要があるのか?」を、とことん考え、自分の腑に落とし込み、文字化することです。
この作業は、もちろん、法人後見事業に限らず、新規事業立ち上げ、事業改善、職員の座席配置など、ものの大小を問わずに必須なことです。
なぜなら、法人後見事業を新規事業として開始し発展させていくには、社内外の全ステークホルダーの納得と合意が不可欠だからです。それぞれが、それぞれの立場で抱く利害に対抗するには、誰もが納得する「始めるための大義」という絶対的武器が必要になります。
ところで、社協が法人後見事業を開始する経緯は、大別すると以下のどちらかに分類されます。
①自治体主導型
自治体が地域福祉計画などで開始を決定し、実施機関として社協が実施することになった。
メリット
・自治体が決めたので、補助金または委託金獲得の交渉が不要。大抵は人件費が含まれています。
デメリット
・社協の自由度が低くなる
例えば、後見受任決定権を握る委員会で、自治体職員の意向が強くなる。
・社協職員のやる気が上がらない
押し付けられ感が強く、そもそも行う意義が腑に落ちていない。そのため、開始しても、苦労して受任件数を伸ばしていこという意識になりにくい。
②社協主導型
メリット
・開始まで、とことん社内外で議論を行っているため、意思統一がなされている。そのため、受任件数にこだわっていける。
・社協主導で進めていける。
デメリット
・補助金や委託金を得られるか分からない。得るために数年にわたる長い交渉が必要となる。
当県の各自治体ごとの受任件数を見ると、受任件数1桁の社協が大半でした。
したがって、開始のきっかけは、①がほとんどと類推されます。
①の場合、開始前に上記作業を行う必要性はありません。
ただ、開始後には、事業の方向性や意味に迷いだすので、必要になるでしょう。
当社協は②でした。
ですので、どうしても上記作業が必要でした。
次回は、具体的に当社協はどうしたのかをお伝えしていきます。