実践期~その6~(原則(3)できる限り、現場に権限を与え判断スピードを上げる②)

「原則(3)できる限り、現場に権限を与え判断スピードを上げる」の続き。

 

前述した「①決裁基準」の他にもう1つ、「②法人後見候補者決定プロセス」を以下のように定めました。

具体的には、「法人として候補者となるかどうかを決定するプロセス」です。

 

この件については、ずいぶん前のブログ「構想&説得期~その6~(対専門家後見人)」で触れています。

かなり前なので、以下に再掲します。

 

↓↓↓ 以下再掲 ↓↓↓

なお、数年先、法人後見の開始が決定し、制度設計に着手する時期がきます。

社協でよく取られる手法は、各専門家(もちろん専門家後見人を含む)による委員会を立ち上げ、そこで決定する方法です。

しかし、当社協では、この手法をあえて行いませんでした。担当職員が考え、社内のみで決定しました。

 

理由は、もちろん事業開始までの時間が限られていたこともあります。しかし本意は、社協の法人後見が低所得者専門となることを避けるためでした。

当然、専門家後見人は安定的収入があることを求めます。安定的収入が得られる後見ケースは、資産があり安定しているケースです。逆を言うと、低所得で困難ケースは避ける傾向があります。

専門家の意見が通りやすい委員会形式をとると、社協が低所得困難ケースを専門で受任することになりかねません。もちろんそのようなケースも受任しますが、そればかりだと、後見報酬が得られず、現存職員のキャパ以上の件数を受任できなくなります。

社協の事例から、このことが見えていたので、社協も稼いで人件費を稼ぐ仕組みが必要でした。そこで、内部決定により資産が多い方でも積極的に受任する仕組みを整えました。

↑↑↑ 再掲ここまで ↑↑↑

 

本意は上記の通りですが、もう1つの効果は、決定スピードが段違いに違うことです。

委員会開催には、各委員との日程調整、文書送付などが必要です。また、各委員の方々は多忙なため、開催日は通常3ヶ月以上先になります。さらに、同様の理由で、年に3~4回の開催が限界です。

 

ということで、当社協では、所長を含めた、各専門資格を持つ職員全員の調整会議にて可否を決める仕組みとしました。

結果、週1回の判定が可能となり、依頼者を極端に待たせることなく結果を出せるようになりました。

 

ちなみに、先行する市民後見人事業において同様の仕組みを導入していたため、何の抵抗もなく法人後見においても導入するに至りました。