実践期~その3~(原則(1)できる限り、受任基準を広げ、多くの方を支援する)

制度設計の最初の原則は、「できる限り、受任基準を広げ、多くの方を支援する」です。 これを、お題目ではなく、具体的に制度に落とし込まねばなりません。 そのために作成するものは「法人後見の受任基準」です。 どの様な条件のケースを受任し、どの様な条…

実践期~その2~(制度設計の5原則)

事業の成否は、設計思想に依ると考えます。 初めの制度設計がずれてしまうと、事業開始後の修正は不可能です。 したがって、事業開始前に、しっかりと論理を組み立てた制度設計を行うことが必須です。 これまで何度もお伝えしたように、当社協が法人後見事業…

実践期~その1~(事業開始スケジュールと基本理念再確認)

ここまでで、法人後見開始に向けて、各ステークホルダーの合意、社内の承認、人件費補助金確保をクリアしてきました。 最後に残るのは、法人後見事業の詳細な制度設計です。 「神は細部に宿る」 のことわざ通り、制度設計がしっかりとなされていれば、職員が…

補助金要求期~その2~(獲得成功!)

1年目の無残な失敗後、2年目はやや作戦を変えました。 1年目の社内役割分担は、 当方 制度設計・準備 上司 自治体との補助金獲得交渉 と明確化し準備を進めました。 1年目の補助金獲得は失敗しましたが、制度設計・準備は相当程度進んでいました。 そのため…

補助金要求期~その1~(1年目は失敗)

「承認期」でお伝えした通り、法人後見開始は、地域福祉活動計画改定に盛り込まれました。 期間は5年間。この間に、法人後見事業とプラスアルファの新規事業2件を立ち上げる必要がありました。 そこでまず行ったことは、5年間の事業計画立てです。 日常の支…

承認期~おまけ3~(基本理念・行動指針策定の具体的手順)

(1)現在の問題点を再認識 日々感じている、法人としての問題点を再把握します。 例えば、 〇職員の議論が少ない 〇数値目標への意識が低い 〇事業がお金のばら撒きに偏っている などが挙げられますね。 これらを改善するために、どのように「基本理念・行…

承認期~おまけ2~(基本理念・行動指針策定の基本方針)

では、どの様に「基本理念や行動指針」を策定していったのか、その方法をお伝えします。 大前提として、法人の「基本理念」を変える事は禁忌と思っています。 なぜなら、法人は「基本理念」に基づき全てが派生しているからです。 事業内容、判断基準、職員採…

承認期~おまけ1~(基本理念・行動指針策定)

地域福祉活動計画に盛り込むことができた、法人後見開始よりも大きかったこと、それは、当社協の「基本理念や行動指針」を明記したことです。 民間企業には大抵ある「企業理念」や「社是、社訓」にあたるものです。 よくある内容は「顧客第一主義」「現場主…

承認期

前回、『決定的なプロセスがありました。それは、社協の「地域福祉活動計画」改定でした。』とお伝えしました。 計画改訂と比較的良いタイミングで重なったため、これまで各所に働きかけるも、匍匐前進の如く遅々としてしか進まなかった法人後見開始が、一気…

構想&説得期~その7~(対市民、市民ボランティア)

長々とお伝えしてた「構想&説得期」ですが、今回で最後になります。 締めとなるステークホルダーは、法人後見を始めることにより直接利益を受ける市民と、共に事業を運営していくパートナーたる市民ボランティアです。 (1)対市民 社協が法人後見を始めるに…

構想&説得期~その6~(対専門家後見人)

続いてのステークホルダーは、専門家後見人です。 具体的には3士会と呼ばれる、弁護士、司法書士、社会福祉士の方々です。 なぜ、社外の競合相手となる専門家後見人に対し、社協が法人後見を始めるための納得と合意を得なければならないのか? 主な理由は以…

構想&説得期 ~その5~(対自治体)

対社内(上司&部下)の次に優先順位が高いのは、対自治体です。 なぜなら、新規事業開始のためには、どうしても自治体からの補助金という初期投資が必要だからです。 初期投資とは、福祉業界にとっては、イコール人件費ですね。 社協には、収益を上げて人件…

構想&説得期 ~その4~(対社内(部下))

前回は、対社内(上司)に対する納得と合意を得るプロセスを、経験談を踏まえお伝えしました。 今回は、もう1つの対社内ステークホルダー「部下」に対して述べていきます。 まず注意してもらいたいことは、部下だからと言って安易に考えたり、軽視することは…

構想&説得期 ~その3~(対社内(上司)②)

ちょっと一般論から。 他人を協力者にするには、以下の過程が必要と思います。 (1)問題を認識・理解してもらう (2)問題を解決することが、自分にとってメリットになると認識する これを、法人後見を始める事について、対上司に当てはめると、 (1)問題…

構想&説得期 ~その2~(対社内(上司)①)

前回のブログで、法人後見を始める事のメリット、中長期プランを、客観的な定量的数値で作成できたと思います。 今回からは、その資料を使って、各ステークホルダーと議論し、法人後見開始に向けて合意を得ていく過程を説明していきます。 まずは、ここが納…

構想&説得期 ~その1~(事業プラン作成)

次は、構想&説得期です。 この時期に必要なことは「法人後見を開始することによる中長期構想を練り、各ステークホルダーの納得と合意を得る」ことです。 具体的には、 ①法人後見を始める事のメリット、中長期プランを、客観的な定量的数値で作成する ②①を使…

問題発見期

まずは、問題発見期です。 この時期に必要なことは「現事業の問題点を把握し、法人後見が必須と認識する」ことです。 当社協での経験をまとめると、 現事業(日常生活自立支援事業、市民後見事業)に最大限取り組み、支援件数を伸ばしていった。 ↓ 職員ひと…

法人後見事業を始めるまでに必要なプロセス

前回、法人後見事業を始めるために、全ステークホルダーを挙げ、それぞれのメリットを提示しました。 再掲すると、以下になります。 (1)市民 (2)市民ボランティア (3)自治体 (4)専門家後見人 (5)社内(上司、部下) 当然、全ステークホルダーの納…

人件費獲得以外の目的 ~その2~

次は、下手したら競合相手となり、敵対する可能性のある専門家後見人に対して。 (4)専門家後見人のために ①本来業務での稼ぎにつながる 社協が法人後見を行うと、やはり半公的機関のため信用度が高いのか、結構依頼がきます。けれど、限られた職員で支援を…

人件費獲得以外の目的 ~その1~

前回、当社協が法人後見事業を始めなければならなかった、1番の理由は、 人件費獲得、下世話な言葉で言えば「お金」とお伝えしました。 この後、事業実施までには、上司、部下、ボランティア、自治体など、多くのステークホルダーの納得と合意を得ていかねば…

当社協が、法人後見事業を始めなければならなかった理由

前回、『「なぜ、当社協で法人後見事業を始める必要があるのか?」を、とことん考え、自分の腑に落とし込み、文字化すること、が、まず初めに行うこと』とお伝えしました。 では、具体的に当社協の例をお伝えします。 当時、当社協では以下2つの事業により、…

何よりもまず初めに行うこと。

まず初めに行うことは、「なぜ、当社協で法人後見事業を始める必要があるのか?」を、とことん考え、自分の腑に落とし込み、文字化することです。 この作業は、もちろん、法人後見事業に限らず、新規事業立ち上げ、事業改善、職員の座席配置など、ものの大小…

法人後見事業立ち上げブログの記述ルール。

これから、法人後見事業の立ち上げ方詳細をお伝えしていきます。 が、その前に、本ブログの記述ルールを自戒を込めて記しておきます。 ①職場や他職員に迷惑が掛からないようにする。 どこの社協か特定できてしまうと、職場や他職員によからぬ迷惑を及ぼす可…

記事の順番

「そもそも、立ち上げ方を改めて伝える必要があるのか?」 「法人後見の始め方をお伝えしていきます。」 の逆順でアップされてしまいした。 いまいち操作が不明なので、修正するまで 「法人後見の始め方をお伝えしていきます。」 ↓ 「そもそも、立ち上げ方を…

あっ、更新は週末(予定)です。

ちなみに、記事の更新は週末にアップする予定でいます。 できれば、2から3本アップしたいなと。 なるだけ、テーマごとに分割して、長い文章にならないようにします。 読みたくなくなっちゃうからね。

法人後見の始め方をお伝えしていきます。

みなさん初めまして。 社会福祉協議会(以下、社協)に勤める後見太郎です。 このブログでは、主に社協が法人後見事業を始める方法や手順を、実体験に基づいてお伝えしていきます。NPO法人や他の社会福祉法人の方も、準用して参考にしてもらえたら幸いで…

そもそも、立ち上げ方を改めて伝える必要があるのか?

そもそも、社協が法人後見事業を始める方法や手順を、今改めて、みなさんにお伝えする必要があるのでしょうか? 前記事に書いたように、社協が法人後見を始める事は、決して珍しいことではなく、すでに先行社協がいくつもあります。 そのため、「法人後見の…